皆さんお元気でしょうか。11月12日から13日にかけてダウ平均株価は、利上げを織り込んで大きく下落しました。利上げが株価にもたらす影響を確認したところ、もはや利上げの有無にかかわらず株価が暴落することが判明しました。

  なお、暴落するまでは、過去記事「」で説明した第3ステージ、すなわち中間反騰又は横ばい局面となるのですが、この局面が長く見積もって2016年8月頃まで続く可能性があることを申し添えます。それでは、過去の利上げを検証します。

1989年の利上げ(日本)

 株式バブルが起こった1980年代の日本における利上げは、1989年5月に行われました。この7カ月後に株価は大天井を付けます。株価暴落後も日本銀行は利上げを強行し、暴落を加速させました。

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2006年の利上げ(日本)

 いざなみ景気と呼ばれる2003年4月以降の景気拡大局面では、2006年7月に最初の利上げが行われました。株価はこの11カ月後に大天井をつけました。この際、バブル崩壊時の反省から、金利は速やかに引き下げられ、現在まで0.3%の水準が維持されています。
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世界恐慌発生前の利上げ(米国)

 世界恐慌発生前に、最初の利上げは、1928年2月に行われました。この16カ月後に株価は天井をつけました。
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1999年以後の利上げ(米国)

 ITバブルが発生した20世紀末には、1999年6月に最初の利上げが行われました。この6カ月後に株価は天井をつけました。しかしながら、バブル時の日銀の政策と同様、FRBは、株価暴落後も利上げを続けてしまいます。

 その後、2003年4月に株価が底を付けると、2004年6月から最初の利上げが行われます。株価が天井を付けたのはこの40カ月後でした。

 2004年6月からの利上げが数年間も株価を暴落させないで済んだのは、ジュグラーサイクルの底で利上げを始めたことによる影響です。

 ジュグラーサイクルのピークである1989年や2006年での利上げは、その直後に激しい株価暴落をともないました。
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2006年の利上げ(日本)との比較

 仮に、2015年12月に利上げが行われたとすると、比較の対象として適しているのは、2006年の日本銀行の利上げです。当時と現在は、ジュグラーサイクルのピークであるという点で一致しています。また、ベースとなる金利がほぼゼロであるという点も一致しています。

 実は、景気循環学会名誉会長である一橋大学の篠原三代平名誉教授は、日米の設備投資循環が逆であり、約10年のラグがあることを発見しました。この発見から言えば、日本で10年前に起きたことが、現在の米国に訪れるという考えは、的が外れた推論ではありません。

 例えば、1990年のバブル崩壊は、米国における2000年のITバブル崩壊の予兆となりました。日米の逆相関により、2006年における日本の状況に、現在の米国の状況が類似しているのも自然なことなのです。

 そこで、2015年12月に利上げが行われた場合に、当時の日本とのシノニムで予測すると、2016年11月に株価は天井を付けて、2018年7月に半値で底を付けることとなります。
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世界恐慌時との比較

 また、世界恐慌時との比較も有用です。当時と現佐は、コンドラチェフサイクルの冬(参照「」)にあるという点で一致しています。

 リーマンショック前の2006年7月の最後の利上げと、世界恐慌前の1928年2月最後の利上げとを同期させたのが下記のグラフです。

 すると、どちらも2015年2月前後でピークを打っています。また、世界恐慌時の経験から言えば、今後の利下げに効果はなく、ジュグラーサイクルの下降局面となる中で、株価は大きく下落していくこととなります。

 結局、金利の上げ下げよりも、重視すべきはジュグラーサイクルということです。ジュグラーサイクルのピーク近傍では、景気の過熱を抑えるために利上げが行われやすく、利上げ後は、株価は暴落する傾向にあります。

 そして、ジュグラーサイクルのピーク近傍で、利上げを行わなくても、ひとたび景気サイクルが下向けば株価は大きく下落していくこととなります。世界恐慌時及び2006年の日本の経験から、株価が大底を付けて上がりだすのは、2022年4月頃まで待たないといけません。


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過去の利上げ局面との比較に基づく予測 (追記)

 下記のグラフは、1989年、1999年、2006年の利上げ後の株価推移に基づく、予測図です。
 
 過去記事「 」では、株価の第3ステージがすぐに終了する場合、2016年1月から20000円をピークに急落し、そうでない場合2016年6月から11月にかけて21600円を目途にピークを打つと予測しています。

 過去の利上げ局面との比較による予測によると、年始早々に急落するケースはなくなり、2016年6月から11月にかけて21300円から22900円を目途にピークを打つこととなり ます。

 今回の株式相場については、平成の鬼平がバブルつぶしに躍起となった1989年当時とは日銀の姿勢が正反対となっており、 意外と腰の長い相場となりそうであることから、今のところ、2016年6月から11月にかけて22000円前後まで伸びる可能性が、若干高く感じます。

 今まで、人口動態の相似から1989年のように暴落が加速するケースを筆頭に考えていましたが、日銀の姿勢が当時と正反対であるという点を見逃していました。

 遅くとも、今年の暴落月8月のアニバーサリーデイツである来年8月前の7月頃には、再び売りのチャンスが来るとみています。
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金(ゴールド)はこれから2倍になる
林 則行
宝島社
2015-02-13
 






 





 













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