TDシーケンシャルについて
TDシーケンシャルとは、アメリカのテクニカルアナリストのトムデマークが開発したサイクルの転換点、すなわち相場の天井と底をつかむインディケーターです。このたび、TDシーケンシャルの有効性について確認するとともに、今後の相場を予測します。TDシーケンシャルの解説本はパンローリングから邦訳本1冊が出ており、他には、ブルームバーグから洋書が出版されています。邦訳本は古いので、私はブルームバーグの洋書をもとにしてプログラミングを行い、2007年頃からトレードステーションで運用しています。当時は、トレードステーションは25万円もする代物でしたが、現在はマネックス証券で無料で使用できます。
TDシーケンシャルは、証券会社やヘッジファンドでは多用されているものの、権利関係が厳しくて個人投資家にはあまり出回っていないようです。
TDセットアップによる天井シグナル
TDシーケンシャルには、第一段階の転換点であるTDセットアップがあり、次に、第二段階の転換点であるTDカウントダウンがあります。TDセットアップの完成条件は、次のとおりです。2つ目の条件はクオリファイヤーと呼ばれ、終値を高値へ変更するなどのバリエーションがあります。
1 9回連続で4本前の終値を上抜く。
2 8本目もしくは9本目の終値のいずれかが、6本目及び7本目の終値を上回る。
セットアップが完了すると、通常はトレンドが転換しますが、それでもなおトレンドが継続する場合は、TDカウントダウンという最終段階に入ります。
また、TDセットアップが完成した段階における過去8本のバーの安値をTDセットアップトレンドラインと呼び、重要なサポートラインとなります。
TDカウントダウンによる天井シグナル
TDカウントダウンが完成すると、トレンドのエネルギーは消耗して、確実なトレンド転換が訪れることとなります。TDカウントダウンの完成条件は、次のとおりです。2つ目の条件はクオリファイヤーと呼ばれ、終値を高値へ変更するなどのバリエーションがあります。1 TDセットアップ完了後に、終値が2本前の 終値を上回ることが13回以上起こる 。(連続でなくてよい。)
2 13回目以降の終値が、5本前の終値、1本前及び2本前の高値を上回っている。
なお、3つ目の条件として、インターセクションと呼ばれる5本前の終値が8本前の終値を上回る という追加条件もありますが、条件を厳しくすると発生頻度が減ってしまうため、この条件は外しています。また、デマーク自身もインターセクションは必要でないといっているようです。
TDシーケンシャルのキャンセル条件は、次のとおりです。このキャンセル条件が起きると、TDカウントダウンのカウントは中止となります。
1 真の高値(現在のバーの高値と1 本前のバーの終値のいずれか高いほうの値)が、重要なサポートラインであるTDセットアップトレンドラインを下回る。
2 底シグナルとなるTDセットアップが完成する。
トレードステーションでの天井シグナルの表示
これらの天井シグナルをトレードステーションで表示する際、TDセットアップは、バーの真ん中に黄色いポイントをプロットしています。重要なサポートラインであるTDセットアップトレンドラインは、赤色のティックラインでプロットしています。TDカウントダウンは、赤色のヒストグラム(縦線)でプロットしています。
TDカウントダウンの完成に必要なカウント回数は、セットアップ完了時に赤色のティックラインの下に表示しています。また、TDカウントダウンの現在のカウント回数については、赤色のティックラインの上に表示しています。
感応度を高めたTDシーケンシャル改良ベータ版によるカウントダウンの完了については、マゼンタ色のクロスポイントで表示しています。(この改良版についての説明は、本稿では省略します。)
TDカウントダウンの完成に必要なカウント回数は、セットアップ完了時に赤色のティックラインの下に表示しています。また、TDカウントダウンの現在のカウント回数については、赤色のティックラインの上に表示しています。
感応度を高めたTDシーケンシャル改良ベータ版によるカウントダウンの完了については、マゼンタ色のクロスポイントで表示しています。(この改良版についての説明は、本稿では省略します。)
トレードステーションでの底シグナルの表示
TDセットアップ及びTDカウントダウンによる底シグナルですが、天井シグナルの条件をそのままひっくり返したものになります。
これらの底シグナルをトレードステーションで表示する際、TDセットアップは、バーの真ん中に水色のポイントをプロットしています。重要なレジスタンスラインであるTDセットアップトレンドラインは、青色のティックラインでプロットしています。TDカウントダウンは、青色のヒストグラム(縦線)でプロットしています。
これらの底シグナルをトレードステーションで表示する際、TDセットアップは、バーの真ん中に水色のポイントをプロットしています。重要なレジスタンスラインであるTDセットアップトレンドラインは、青色のティックラインでプロットしています。TDカウントダウンは、青色のヒストグラム(縦線)でプロットしています。
TDカウントダウンの完成に必要なカウント回数は、セットアップ完了時に青色のティックラインの上に表示しています。また、TDカウントダウンの現在のカウント回数については、青色のティックラインの下に表示しています。
感応度を高めたTDシーケンシャル改良ベータによるカウントダウンの完了は、白いクロスポイントで表示しています。
上記でTDシーケンシャルの説明が終わりましたので、日経平均株価、ダウ平均、上海総合指数、金価格及びドル円為替レートでインディケーターの有効性を確認していきます。
日経平均株価での検証
下記のチャートは、日経平均株価の月足チャート(下記の上図)及び週足チャート(下記の下図)について、TDインディケーターをプロットしたものです。月足チャートで確認すると、過去20年以上にわたり、サイクルのピークでTDセットアップをつけています。このTDセットアップが途切れたところで、ピークを超えたと判断できます。 また、週足チャートで確認しても、今回の暴落の直前に、感応度を高めたTDシーケンシャル改良ベータ版によるカウントダウンが発生しています。日経平均は、完全に大天井を打ってしまったことが一目瞭然です。
ダウ平均での検証
下記のチャートは、ダウ平均の月足チャート(下記の上図)及び週足チャート(下記の下図)について、TDインディケーターをプロットしたものです。ダウ平均は上昇トレンドが長く続く傾向があり、天井シグナルの騙しが多くなっています。月足チャートで確認すると、TDカウントダウンが完了しており、ピークをつけたと判断できます。
なお、上昇トレンドが強いということは、底シグナルの頻度は少なく、底打ちシグナルの精度が高くなるということです。週足チャートで確認すると、底打ちを的確に的中させています。
上海総合指数での検証
下記のチャートは、上海総合指数の月足チャート(下記の上図)及び週足チャート(下記の下図)について、TDインディケーターをプロットしたものです。月足チャートで確認すると、TDセットアップが連続して発生した後に途切れており、ピークをつけたと判断できます。週足チャートで確認しても、TDセットアップが連続して発生した後に途切れており、ピークをつけたと判断できます。
金価格での検証
下記のチャートは、金価格の月足チャート(下記の上図)及び週足チャート(下記の下図)について、TDインディケーターをプロットしたものです。月足チャートで確認すると、2011年の終わりからTDセットアップが連続して発生した後に途切れており、ピークをつけたと判断できます。現在は、底値を探っている状況です。週足チャートで確認すると、TDカウントダウンが完了した後にTDセットアップが発生しており、底値圏であることがわかります。
ドル円為替レートでの検証
下記のチャートは、金価格の月足チャート(上から1つ目)、週足チャート(上から2つ目)及び日足チャート(上から3つ目)について、TDインディケーターをプロットしたものです。月足チャートで確認すると、TDシーケンシャルによるカウントダウンが発生しており、天井をつけたことがわかります。週足チャートで確認しても、TDシーケンシャルによるカウントダウンが発生しており、天井をつけたことがわかります。
TDシーケンシャルについて
TDシーケンシャルは難解ですが、非常に有用なツールです。トレードステーションで用いているTDシーケンシャルのEasy Languageによるプログラムコードについては、人数限定かつ有料で下記で公開しています。
TDシーケンシャルのプログラムコード(Easy language)
【マネックス証券のトレードステーションについて】
本稿では、マネックス証券のトレードステーションによりチャートの作図をしています。トレードステーションは全米最高の評価を受けるトレーディングソフトであり、自動売買機能はもとよりあらゆるテクニカル・ファンダメンタルズの指標をプロットすることができ、あなたの独自アイディアをプログラミングで直ぐに生かすことができます。
今なら、マネックス証券への口座開設で31,000円がキャッシュバックされます。決して損にはなりませんので、すぐにマネックス証券に口座開設しましょう。なお、トレードステーションは、現在米国株に対応していますが、日本株にも対応する予定です。
【記事・画像の無断転載・盗用は重大犯罪です。】
本ブログの著作権はゴールド金男にあります。本ブログの記事や画像を一部でもキュレーションサイト・まとめサイト等に転載・コピーすることは断じて許しません(URLのみの貼り付けは除く。)。仮に無断転載を発見した場合には、次のとおり、民事的かつ刑事的に断固たる措置を取ります。本ブログは、筆者の無償の労苦にて作成されているものであり、人の労苦をそのままコピー・横取りする行為は断じて許しません。犯罪の被害者になっても泣き寝入りはやめましょう。今なら、マネックス証券への口座開設で31,000円がキャッシュバックされます。決して損にはなりませんので、すぐにマネックス証券に口座開設しましょう。なお、トレードステーションは、現在米国株に対応していますが、日本株にも対応する予定です。
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4 転載・コピーを行った者に対して、著作権法違反により刑事告発を行います。これにより被告は、最大で懲役10年の刑又は罰金1000万円を科せられます。
林 則行
宝島社
2015-02-13
コメント
コメント一覧
ありがとうございます。
どこかの最近の記事でアメリカのジャンク債が下がっていて景気悪いと読みました。
http://finance.yahoo.com/q?s=HYG
原油やハイイールド債はTDシーケンシャルでは分析できますでしょうか?
特にハイイールド債のチャートが2011年のダブルボトムを割って来ているように見え、ヤバそうな感じがするんですけどね。
コメントありがとうございます。
債券については、今まで分析したことはありません。
ただ、これからやってくる暴落では、2000年からのバブル崩壊の最終ステージになるかと思います。
つまり、いよいよ債券もやばくなって来るということです。
リーマンショック以降、欧州債務危機がありましたが、金融緩和で持ち直しました。金融緩和による低利の融資で新興国の債務もパンパンに膨れ上がりました。
しかし、これからサイクルの下落局面に入ると、金融緩和の効果はありません。
景気悪化により膨らんだ債務を返済できなくなる自体になると、欧州債務危機を超える債務危機がやってきます。
つまり、2000年以降の株価下落と金価格上昇が、再び始まり、それは債務危機とあいまってファイナルステージの
大きなトレンドになると考えています。
ということから、債務危機が本格化するのは、景気悪化が深刻化する、これからということです。
購入を検討しておりますが、念のため質問させて頂きます。
クラシック版も改良版にも「プログラムコード」と表記がありましたが、内容開示されていて、自分独自の改良が可能と理解して宜しいでしょうか?
EasyLanguageは書けるので、自分の手法と組み合わせてみたいからです。
ご回答お待ちしています。
コメントありがとうございます。メールにて回答しました。
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