Binance Coin(BNB)(第3世代)

バイナンスが発行する取引所トークン。BSC(バイナンススマートチェーン)の基軸通貨としてDeFiを中心に需要増

「今狙うなら『EVM』(イーサリアム・バーチャルマシン)と互換性のある新興チェーンですね」EVMはイーサリアムと同等の機能を実行できる仮想マシン。仮想通貨界隈で昨年から盛り上がっているDeFi(分散型取引所)ではイーサリアムが多用されるが、盛り上がりすぎた余波で送金手数料が高騰。問題となった。「その間隙を縫ってイーサリアムのシェアを奪ったのが、EVMと互換性があるBSC(バイナンス・ブロックチェーン)です。BSCはイーサリアムとまったく同じように使え、開発者も手間がかからない。今後、EVMとの互換性のある新興チェーンがイーサリアムからユーザーと開発者、さらには資金を奪うことになる。新興チェーンではポリゴンも有望ですが、やはり強いのは資金力がある取引所系のチェーンですね」 BSCの基軸通貨となるバイナンスコインが有望だし、取引所系ではFTXトークンもある。こちらはどうか。「FTXトークンはEVMとの互換性のない独自チェーン。そのため一歩劣ります」

2021/9/23時点のスポット市場の出来高 

バイナンスは、35%のシェア。対して、FTXは4%のシェア。いまだにバイナンスが圧倒的である。


Polygon(MATIC)(第4世代)

Polygonプロジェクトが発行するトークン。PancakeなどのDeFi取引所で使用されており、今後への期待が高まる



今後の計画について


Polygonは、約2.5億ドル(270億円相当)で、ゼロ知識証明を使った技術「ZK-Rollup」を利用するHermez Networkを買収して統合。ゼロ知識証明に特化し、10億ドル(約1100億円)を投資するとした。、2017年から様々なスケーリング技術を実験したが、ゼロ知識証明が最も良いと判断。Polygonの共同創設者Mihailo Bjelic氏は、「1つのネットワークが別のネットワークに吸収され、完全に統合するのは初となる」と説明。以前にもイーサリアムのプロジェクトでプロトコルの統合はあったようだが、お互いのブランドは独立したままで、仮想通貨の統合までは行われなかった。Bjelic氏は「今回の統合は、HEZがまだ初期段階の仮想通貨だから実現できた」と述べ、「HEZの所有者の90%以上が今回の統合に同意している」とした。「Polygon Hermez」は、イーサリアムのスケーラビリティソリューションとして、開発キット「Polygon SDK」などのプロダクトに加わり、これから2つのネットワークの統合が進められる。Hermez Networkで事業開発部門を率いるAntoni Martin氏によると、イーサリアム上に構築された、分散型で、許可なく安全に利用できるシステムという共通の目的があり、これからもこの夢を実現するために懸命に取り組んでいく。

ZK rollupsは長期的に有望な技術

レイヤー2と呼ばれる技術としてOptimistic Rollupとzk Rollupの2つの有力なフレームワークが存在。2021年9月時点ではOptimistic Rollupが先行しており、その中でもArbitrumはレイヤー2のプラットフォームとして最も資金量が流入。Arbitrum以外にも近々Optimismが、開発者・ユーザーに対してパブリックになる見込みでありその際はArbitrumを追随する成長も期待。 しかしながらレイヤー2の長期的に有望な技術としては、Optimistic Rollupではなくzk rollupsであると考える有識者も多い。 Ethereum共同創業者のVitalikはOptimistic Rollupは過渡期の技術であり長期的にはzk rollupが支持されるだろうと個人的見解を示す。Vitalikはゼロ知識証明をスケーリングに活用する企業であるStarkWareに投資。 Polygon Networkは長期的にzk rollupの技術に投資をすることを発表し、同時にzk Rollupを開発するチームであるHermez Networkを$250M相当のMATICトークンでの買収を8月に発表。zk Rollupsが長期的に最も有望なレイヤー2と期待され、Optimistic Rollupに対してzk Rollupsは優位。

SOLANA(SOL)(第4世代)

創業者 Anatoly Yakovenko

  • Co-founder Solana
  • サンフランシスコ ベイエリア
  • Qualcomm(2003年12月 – 2016年7月)
  • イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校卒(2003)
  • 専攻Computer Science
  • 特許4件(neural networkなど)
  • 言語 English Russian

Solanaは、世界の金融システムを民主化することを目的に開発されており、200以上のノードによって、秒間5万トランザクションの処理能力を実現するプロジェクト。すでに分散型取引所(DEX)等が稼働し、注目度が高まっている。他の高スケーリングプロジェクトとは違い、レイヤー2のソリューションに頼らず、レイヤー1で高スケーリングを実現している。イーサリアムは1秒間に約15取引しか処理できない。

メインネットはDelegated-Proof-of-Stake (DPoS)の採用を検討しており、トークン所有者にステーキングを提供する予定。通常、スケーラビリティと分散性はジレンマの関係にあり、分散性を高めるためにノードを増やすと、すべてのノードに全データを伝搬するのに必要な時間が長くなるため、スケーラビリティ性能を犠牲にすることになる。しかし、ソラナは「Turbine」と呼ばれる伝播プロトコルを採用することによって、この課題を解決している。例えば、バリデータが1000個のデータを処理する場合、1000個を順に送信するのではなく、データをパケットと呼ばれる小さなサイズに分割する。その後、分割されたパケットをネイバーと呼ばれるグループに送信。ネイバーは受け取ったパケットを隣接するネイバーに送信することで、スケーラビリティと分散性を維持している。

2021/6/9、暗号資産(仮想通貨)ソラナ(SOL)の開発を行う「Solana Labs」はプライベートトークンセールでおよそ3.1億ドル(約344億円)の資金を調達したことを発表。Andreessen Horowitz(a16z)とPolychain Capitalがリード投資家となり、Alameda ResearchやCoinShares、Multicoin Capitalらが出資に参加。ソラナのブロックチェーン上に構築されるDeFi(分散型金融)などのプラットフォームの開発を加速する。2021/6には、ソラナ財団がエコシステムを韓国にも拡大するため、2,000万ドル(約21億円)超の投資ファンドをローンチ。Solana LabsのAnatoly Yakovenko最高経営責任者(CEO)は、次のフェーズでは、10億人のユーザーの獲得を目指すと説明。ソラナはブロックチェーンのスケーラビリティ問題を解決したと主張し、10億人の利用に対応できるように設計してあると自信を見せた。

Solanoの創設者であるヤコヴェンコ氏とFTXのバンクマン・フリード氏は、ネットワークの渋滞はいずれ業界の成長とともに克服されていく問題だと捉えている。ヤコヴェンコ氏とバンクマン・フリード氏は、すでにホームセンターやアマゾンなどで購入できるパーツにより、「秒間30万TPSを処理できるシステムを設置できる」と述べ、今年8月のイーサリアム上の手数料総額(約121億円)があれば、年間30万TPSを処理できるシステムを2万台用意できるとの概算を明らかにした。ヤコヴェンコ氏は、Solanoが処理能力でスケールするだけではなく、ネットワークの拡張に伴い検閲耐性の高さを維持することに注力しており、いずれ70万TPSまで12倍相当の成長余地を見据えた。なお、現在のメインストリームであるイーサリアムは、次世代チェーンであるイーサリアム2.0への大型アップデートを図っており、本稼働後は、100〜1000倍のTPS処理を見込んでいる。

SABER(SBR)(第4世代)

創業者 Dylan Macalinao

  • Pipe Product & Design (2021)
  • 会社名OKCoin(2020)
  • IDEO CoLab Design Fellow(2019)
  • Abacus Protocol (YC S18) Head of Product & Design (2019)
  • Texas Crypto Founder(2018)
  • University of Pennsylvania(2016)

チャマス・パリハピティヤ氏のVCなども参加 ソラナ基盤のステーブルコインDEX/AMMの『Saber』の開発を行うSaber Labsは、シード期ラウンドで約8.4億円(770万ドル)を調達したことがわかった。Saberは、Solana(SOL)ブロックチェーン上で構築されるステーブルコイン中心の分散型取引所で、クロスチェーンやラッピングトークンなどへも対応。ガバナンストークンはSBRで、流動性マイニング等機能も利用可能だ。今回調達ラウンドに参加しているのは、Virgin Galactic理事長を務める著名投資家チャマス・パリハピティヤ氏が率いるベンチャーキャピタルのSocial Capital、ソラナ財団、Multicoin Capital、Jump Capital。また、仮想通貨取引所FTXの運営マネージャーTristan Yver氏や、OKcoinJason Lau COOなどの個人もエンジェル投資家として参加している。特筆すべきは、チャマス・パリハピティヤ氏のSocial Capitalによる出資だ。Social Capitalは仮想通貨業界ネイティブのVCではなく、シリコンバレーのテックVCだが、そのポートフォリオには、仮想通貨ブローカーSFOXや最大手仮想通貨投資企業デジタル・カレンシーグループ(DCG)などが含まれている。今回の資金調達は、SBRのトークン販売ではなく、エクイティ(私募)による調達だ。Saber LabsのDylan Macalinao CEOはThe Blockの取材で、調達資金をチームの拡大およびDEXの対応する銘柄における技術的サポートに充当すると説明。対応銘柄においては、クロスチェーンを充実することが事業計画にある。現在、Saberはイーサリアム、ソラナ、ビットコイン、Terraのネットワークに対応しているが、今後はPolygonやCeloなどを含むすべての主要ブロックチェーンにも対応していく、とMacalinao CEOは話したという。また、Saberは現在、ソラナ基盤dAppsの運用資産額(TVL)ランキングにおいて3番目に位置し、約140億円に及ぶ。1位はRaydiumで、2位はSerumだが、Saberは6月にローンチされたものであるため、早い成長速度で注目されている。

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FTX Token(FTT)(第4世代)

創業者 バンクマン フリード

  • カリフォルニア→香港
  • マサチューセッツ工科大学卒(2014) 1992年生
  • 専攻物理学専攻
  • 言語 English

世界的な大手取引所FTXの取引所トークン。FTXはデリバティブを初め、様々な金融商品を取り扱っている取引所。ビットコイン(BTC)価格のボラティリティやマイニングにおけるハッシュレートも商品化。DeFi分野などセクターごとのインデックスモデルを提供していることも特徴にある。2021年2月には、米大統領選挙の結果予測を収益化できる先物の提供を開始したことも注目を集めた。

仮想通貨デリバティブ業界の風雲児とされるFTXを設立した理由としてFTXのサム・バンクマン・フリードCEOは、「開発側がワクワクするようなもの、いずれ10億人規模の人々に利用されるようなDeFiプロダクトを提供したかった」と語り、現状のイーサリアムチェーンでは、いずれTPS(Transactions Per Second:秒間取引数)が足りなくなるとの見解を示した。イーサリアムは、ETH2.0に向けスケーラビティ問題の解消にあたっているが、少なくとも現時点でのネットワーク渋滞や取引手数料の高騰は、DeFiの人気沸騰の影響で問題視されており、多くのdAppsのユーザビリティに深刻な影響を及ぼした。

このため、FTXは、開発の初期段階で30社以上のネットワークをテストした後、秒間50,000トランザクションを処理出来る「Solana」上で、新たに、高速処理を実現するノンカストディアルな分散型取引所(DEX)「Serum」をローンチ。Serumは現物やデリバティブ向けの取引所となる予定で、流動性も高め、DeFiにおける既存の問題解決を目指す。

FTXはSolanaとの提携でDeFiへの進出を強化中のため、FTTにも期待。

AVALANCHE(AVAX)(第4世代)

創業者 Emin Gun Sirer

  • Founder and CEO at Ava Labs Brooklyn, New York
  • Princeton大 卒(1993) 
  • Washington大 博士(2000)
  • Cornell大 准教授(2007-2021)
  • 専攻Computer Science
  • ウォール街から才能を持ち込んでAva Labsを設立。アンドリーセンホロウィッツ、イニシャライズドキャピタル、ポリチェーンキャピタル、エンジェル投資家から資金提供を受けた。
  • アバランチ(Avalanche)はAVA Labsが開発した次世代型の高速ブロックチェーン。2020年9月に正式ローンチを果たしており、dApps(分散型アプリ)に特化したスマートコントラクト・プラットフォームを提供している。また、アバランチはブリッジ機能を持っており、SushiSwapやCurve、AaveなどのDeFiプラットフォームにも採用されているマルチチェーン対応可能なネットワークだ。特筆すべきは、一般的なブロックチェーンプロジェクトと違い、用途に分けた複数のチェーンを有している点だ。主なブロックチェーンは以下の通り。

    エクスチェンジチェーン(Xチェーン)
    プラットフォームチェーン(Pチェーン)
    コントラクトチェーン(Cチェーン)

アバランチは、いわゆるスケーリング問題を解決する、早い・安いという系統の代替チェーンである。こうしたチェーンは過去にもEOSや、TRON、IOSTなど、いくつものチェーンが出ているものの、利用は限定的である。アバランチも、技術的には目新しいものの、こうした代替チェーンのひとつとしてしか見ていなかったが、面白い工夫をしてきた。アバランチは、EVM互換(イーサリアム・ヴァーチャルマシーン)なのである。つまり、イーサリアムで作成したアプリやコントラクトを理論上はそのまま移植することができてしまう。 EVM互換の高速チェーンの先駆けは、バイナンスによるBSC(バイナンス・スマートチェーン)であって、こちらはバイナンス社だけが承認を行う半プライベートチェーンであるが、手数料の安さや、移植性の高さから、いくつかのDefiプロジェクトが即時にたちあがり(バーガースワップ、CREAM)、話題になった。アバランチにもこうした流れがやってくるか。 EVM互換は今後の代替チェーンのキーワードになりそうだ。私が情報をもっているものとしては、イーサーミント(Ethermint)というCosomos系のチェーンが今秋に立ち上がる予定となっている。スマートコントラクトのチェーンは独自仕様でいくのではなく、ほぼ業界標準となったイーサリアム互換を戦略として、そのシェアを奪いにかかるという構図が展開されるかもしれない。イーサリアムのアプリは本質的にはどのプラットフォームであっても互換性があれば動くわけで、引っ越しも、コピーもほぼ低スイッチングコストで行うことができる。今年の終盤は、イーサリアム互換チェーンの競争も注目していきたい分野である。

FANTOM(FTM)(第4世代)

創業者 Michael Kong

  • シドニー
  • シドニー大学(2017)
  • Yearnチームは、プロトコルの最初の拡張にFantomを選択したと説明しました。これは、「高速で、使いやすく、ブリッジしやすい」ためです。さらに、Fantomネットワークは、Yearnの開発ツールとプロトコルのIronBankパートナーであるCreamFinanceをサポートしています。

    チームは、Yearnの創設者であるAndreCronjeもFantomの大ファンであると付け加えました。


DYDX Token(FTT)(第4世代)

創業者 バンクマン フリード

  • サンフランシスコ ベイエリア
  • Founder of DYDX(2017-)
  • Uber Software Engineer(2017)
  • Coinbase Software Engineer(2016)
  • Princeton University(2015)
  • 専攻Computer Science

https://help.dydx.exchange/en/articles/4797156-what-is-layer-2


各チェーンにロックされた価値の推移

安定した推移は、イーサリアムのみ。バイナンス→ポリゴン→ソラナ→アバランチ→ファントムと、資金が動いている。

バイナンスチェーンは、取引所規制の流れや、ポリゴンの登場により廃れ、ポリゴンは、更に高速をうたうソラナの登場により廃れ、ソラナからアバランチに資金が移動している。

今後の展開としては、ポリゴンのzk roll upの開発や、ソラナの更なる高速化の中で、どこに資金が行くのかという点が焦点となりそうだ。

なお、DYDXは既にzkrollup搭載のDEXとして、コインベースやFTXをしのぐ出来高をを記録しており、最大のDEXへ成長している。

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