日食のサイクル

皆さん、日食にサイクルがあるのはご存じでしょうか。それは、サロス周期と呼ばれるもので、223朔望月、つまり約18年10日ごとに、太陽と地球と月の位置関係が相対的にほぼ同じような配置になる周期です。1サロスごとに、ほぼ同じ条件の日食または月食が起こることから、天文学発達以前は、暦学ないし経験則的に日食が起こる日を予測してきました。あの有名な卑弥呼もこの経験則によって、日食を予言していたでしょう。

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ちょうど、興味深いことがありまして、2019年は、世界恐慌がおこった1929年から数えて、5番目のサロス周期にあたるのです。つまり、世界恐慌当時と全く同じ日食が起こることになります。

この約18年というのは、景気サイクルでいえば、クズネッツサイクルに当たります。ほぼ同じことが、周期性を持って繰り返すのが相場ですから、また過去と同様に世界恐慌が起こるかもしれません。

それでは過去の、同じ日食が起こった年月日と相場を確認していきます。

127サロスの日食

2019年における日食は、127サロスになります。過去の同じサロスの日付は次の通りですimage

1950年以前の値動き

それでは、1950年以前における127サロスの日食が起こった後のダウ平均の動きを見てみます。

過去における127サロス日食の後の底打ちは次のとおりです。

  • 1911/4/28  3年7か月後の1914/12
  • 1929/5/29 3年3か月後の1932/8
  • 1947/5/20 2年2か月後の1949/6

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1950年以後の値動き

過去における127サロス日食の後の底打ちは次のとおりです。

  • 1965/5/30  5年1月か月後の1970/6
  • 1983/6/11 1年2か月後の1984/8
  • 2001/6/21 1年11か月後の2003/4

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2019年の日食の影響

過去の値動きを見ますと、おおむね1年2カ月から5年1カ月の間に底打ちしております。平均すると34カ月間底打ちにかかっております。

このことから予測すると、2019年7月の日食の後には、2020年9月から2024年8月までの間に底打ちがやってきて、平均して2022年5月に底打ちすることが分かります。

イメージは次のとおりです。

  • 2020/9 1983
  • 2021/6 2001
  • 2021/9 1947
  • 2022/5 平均
  • 2022/10 1929
  • 2023/2 1911
  • 2024/8 1965

結論

日食の18年サイクルを見くびってはなりません。景気は一定の周期を保って、同じことを繰り返しています。今回すでに相場は過熱しすぎですから、当分買っていく局面にはなりません。少なくとも、2021年までは長期で買いを入れてていくステージにはならないと考えています。


太陽活動と景気
嶋中雄二
日本経済新聞出版社
2018-07-02