日経平均株価の年別季節性

 株価には季節性・アノマリーというものがあります。「ラリーウィリアムズの株式必勝法」にも掲載されていますが、5のつく年は、株価が大きく上がる傾向にあります。

 しかしながら、2015年は、8月に相場が急変し、このアノマリーは未達となりました。この原因は、2013年に株価が大きく上がりすぎた反動によるものということができます。実体経済が改善していないにもかかわらず、株価だけ大きく上がれば、必ず大きな反動がやってくるのです。

 下記に各年代別の日経平均株価の収益率を掲載します。実は、2000年代にも同じようなことがあり、2005年に株価が大きく上がった後に、反動で2008年に大暴落がやってきました。

 2010年代は、団塊ジュニアが人口ボーナスに突入することによる恩恵もありましたが、団塊世代が人口オーナスとなり足を引っ張るため、経済環境は基本的に2000年代と同じです。そして、2015年以降は、団塊ジュニアが40代後半に突入するため、人口ボーナスの崖となっています。

 下記の収益率推移をご確認いただくとわかるとおり、1990年代、2000年代ともに8のつく年に向けて収益率がマイナスになっています。2010年代についても、まったく同じ展開が予想されます。

 また、悪いことに、2013年以降の大きな株価上昇の反動がやってくるため、リーマンショックを超える規模の暴落がやってくる可能性が非常に高いです。

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 下記は、1950年~2015年、1990年代、2000年代及び2015年の各月の収益率の推移図です。過去のいずれの年代も、6、7、8のつく年は、5のつく年に比べてパフォーマンスが悪化しています。

 つまり、2015年のパフォーマンスがほぼトントンで終わってしまえば、向こう3年は株価は下落するほかありません。

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日経平均株価の月別季節性

 次に、皆さんは相場格言のセルインメイというのをよくご存じだと思います。 この格言の語源は、米国の相場格言「5月に売れ。バカンス後の9月に相場に戻ってこい。」に由来するものです。

 この相場格言は、統計学的にも正しく、遵守するべきものであります。 なぜ、秋口に株価が下落するのかというと、一般的には、年末に向けて投資家が益出しするためであるとされています。また、ヘッジファンドの解約売りが相次ぐことによるものであるともされています。日経平均株価についても、バブル経済が崩壊する以前からこのような傾向がありました。

 下記の表は、1949年から現在まで、1990年から現在まで、2000年から現在までの各月別平均収益率です。また、2015年における各月別収益率の推移も掲載しています。

 高度経済成長期を含む1949年以降の平均収益率でさえも、9月及び10月はマイナスとなっています。仮に、2015年8月のマイナス8.2%という収益率が今後2か月連続で継続するとなると、日経平均株価は15000円台に突入するため、過去記事「」における予想とおり、日経平均株価暴落による一番底は15000円程度ということになります。

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 下記のグラフは、1949年から現在まで、1990年から現在まで、及び2015年の各月別平均収益率の推移です。9月及び10月は、引き続き厳しい展開になることが、一目瞭然です。


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 念のため、1990年から現在まで、及び2015年における累積収益率の推移図も下記に掲載します。2015年は、1990年以降の典型的な年間推移とおりの値動きであるということがわかります。今後、11月中旬に向けて非常に厳しい展開が続くことが予想されます。

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