このブログでは何度も 、2015年から株価大暴落が起きることを予言してきており、とうとう上海総合指数の暴落が発生しました。しかし、上海総合指数の暴落だけでは終わりません。中国のバブル崩壊に引きずられて、日米の株価も大暴落を引き起こします。この記事では、改めて株価が大暴落する4つの理由を解説します。
1 「支出の波」のピークが到来
このブログでは、ハリーデントが提唱した「支出の波」について、繰り返し説明してきました。経済学にはライフサイクル仮説という理論があり、この理論によると、人生で最も支出が大きくなるのは、40代前半とされています。ハリーデントは、この40代前半人口の推移を「支出の波」と呼び、日本のバブル崩壊を予測したのでした。ここで、改めて世界各国の40代前半人口の年次成長率を見てみます。下記のグラフは、国連推計による世界各国の40代前半人口の年間成長率の推移です。
ご覧いただければわかりますが、まず、中国が一足早く2013年からマイナス成長に陥りました。これにより、2015年に中国で株価暴落が発生しました。
そして、日米ともに、2016年から成長率がマイナスになります。更に、世界全体では2017年から成長率がマイナスになります。
支出の波の推移から見て、2015年から2018年までの間は、非常に厳しい期間になります。世界全体で消費支出が落ち込み、株価も大きく下落します。
世界の40代前半人口年間成長率
2 世界経済の相関により日米も株価下落
世界全体の経済は、リンクしています。経済規模の大きな国がクラッシュすると、その影響は大きくなります。下記のグラフは、日本、中国、アメリカの各総合指数の推移を表した株価チャートです。2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックでは、3か国の株価指数全てが下落しています。
このたび、上海総合指数が暴落しましたが、引きずられる形で日経平均株価及びNYダウ平均も天井をつけるでしょう。
3 ジュグラー(9年)サイクルのピーク
景気循環には、短期循環と呼ばれる40か月のキチンサイクル(KitchenCycle)、中期循環と呼ばれる約9年のジュグラーサイクル(Jugula Cycle)があります。私は、「日本テクニカル分析大全」に掲載されている元景気循環学会監事の故松本和男一橋大学講師の分析をもとに、日経平均株価のキチンサイクル及びジュグラーサイクルを記録しています。
私の推計によると、2012年6月から2015年6月までで37か月の上昇となり、ひとまずキチンサイクルの上昇は終わることになります。おそらく、2015年10月に17000円程度までの軽い調整があるでしょう。そして、その後に2016年4月頃を目途としてジュグラーサイクルの大天井を取りに行くことになります。
つまり、どうがんばっても来年4月頃までが日経平均株価が上昇する限界であるということです。下記の図の上から2つ目の日経平均株価の推移チャートでは、2015年6月の20900円を日経平均のピークとしてカウントし、2021年まで株価下落局面に入ることを想定しています。
また、下記は、直近3回のジュグラーサイクルと、現在のジュグラーサイクルを比較した推移図です。2016年4月までには必ず大天井をつけることを予測しています。
4 TDシーケンシャル(TD SEQUENTIAL) がピークを示している。
トムデマーク(TOM DEMARK)というアメリカのテクニカルアナリストが開発したインディケーターにTDセットアップ、TDシーケンシャル及びTDコンボという指標があります。この指標は、相場の天底を当てるために開発されたものであり、特定のマーケットに適合するようなクオリファイヤー(調整条件)を調節することで予測精度が高まります。デマーク指標の条件式は次のとおりであり、だましも多いのですが、うまく使用すれば6割ぐらいの確率で的中させることができます。
TDセットアップ ・・・ 最新の終値が4つ前の終値を9回連続して上回る。
TDシーケンシャル ・・・ TDセットアップが完了してから、最新の終値が2つ前の終値を13回上回る。
TDコンボ ・・・ TDセットアップの完了を待たずに、最新の終値が2つ前の終値を13回上回る。
特に、TDシーケンシャルには、完了条件としてインターセクションやクオリファイヤーをつけることにより、若干、指標の結果が違ってきます。私は、条件を変えて次のようなバージョンも運用しています。
TDシーケンシャル(独自) ・・・ TDセットアップが完了してから、最新の高値が2つ前の高値を13回上回る。
また、リサイクンリング条件として、TDレジスタンスラインというものがあり、このラインを破ると、TDシーケンシャルのカウントダウンはリセットされます。このTDレジスタンスラインも、売りシグナルとして使用できます。
では、このTDインディケーターを確認してみると、日米中の株価指数ともに、すでに高値圏にあり、天井をつけていることがわかります。
日経平均株価のチャート
NYダウ平均のチャート
上海総合指数のチャート
最後に
ここまで、株価が暴落する4つの理由をご確認いただきました。私はすでに株価暴落に備えて、すべてのポジションを米国の金鉱株に移行しています。7月の暴落で痛い目に遭いましたが、その後、株価は回復し、確実に大底に向かっていると確信しています。2015年の10月は、リーマンショック以来の大荒れ相場になることは必至です。金への資金流入が本格化するでしょう。
【TDシーケンシャルについて】
TDシーケンシャルは非常に難解ですが、とても有用なツールです。トレードステーションで用いているTDシーケンシャルのEasy Languageプログラムコードについては、人数限定かつ有料で下記で公開しています。
TDシーケンシャルのプログラムコード(Easy language)
田中貴金属工業 株式会社
コメント
コメント一覧
とても興味深い考察レポートだったので、トラックバックさせていただきました。違うブログなので、正式なトラックバックではないですが、一応報告させていただきます。
わざわざご報告ありがとうございます。私もブログに本腰を入れはじめたのは最近です。今までは、分析メインで自分の中に秘宝を埋蔵してしまっていたのですが、これからはどんどん公開していこうと考えています。
バリックゴールドは、株価が大暴落していますが、倒産する心配はないでしょうか?
ABXは、Form 13Fによると、今年の第2四半期にソロスファンドが約189万株ほど取得しています。
ソロスも、そろそろ底値買いを始めたころでしょう。なお、まだ明確に底は打ってないので、何回かに分けて買っていくことをお勧めします。なお、デブトエクイティレシオが高く、負債をたくさん抱え込んでいるので、私はお勧めしません。倒産の危険性が少ない債務のほとんどない銘柄をお勧めします。
詳しくは、このブログの記事を確認してください。
今後とも、なにとぞよろしくお願いいたします。
バリックゴールド、塩漬けになっていて、手が出せません、
5年前の最高値で購入してしまいました、笑
どうしようもないですね。
小型株ETFでGDXJのETFはどうですかね?
今20ドル越えて反発しています。
ご返信ありがとうございます。
この記事で、金鉱株をスクリーニングしていますので、参考になさってください。
http://ajmdtgm.publog.jp/archives/51989062.html
以前、ロバートキヨサキが銀は、在庫が枯渇するとコラムで書かれていましたが、実際はどうなのでしょうか?
銀の地上在庫の正式なデータは、公表されているかご存じですか?
コメントありがとうございます。本業が多忙でして、返信が遅れました。今月は、ブログ更新も週一がやっとになりますが、なにとぞよろしくお願いいたします。
さて、銀ですが、私は、貴金属の中でも特に金、ゴールドに注力していて、銀については、調査不足です。
中国の減速で実需が落ちるので、金価格以外はそれほど需要が伸びないと考えています。
金は、昔から、第三の通貨として機能してきており、株式や債券がダメになると逃避需要が発生します。
一方、プラチナや銀は、金に比べると逃避資金の入りが弱いので、現在の相場でも金に比べて弱くなっています。特に、プラチナは九割が工業需要ですので、実需の減速の影響をもろに受けます。
そういうわけで、私はこれからは、金と他の貴金属の上昇にかなりの差が出ると考えています。
お忙しい中、ご回答いただき、ありがとうございます!!
とてもわかりやすい解説で参考になりました!
しばらくは中国経済の影響もあって、銀価格はなかなか上昇しないかもしれませんね。
個人的には、ビットコインに期待しているのですが・・・・・
希少価値があるのは、金現物、銀現物、ビットコインで、法定通貨よりも将来価値が上がると思っています。
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