さあ皆さん元気でしょうか。ここでは、金の需給動向について、一考します。金の需給動向については、四半期ごとにワールドゴールドカウンシルが発表していますので、そのデータを検証します。ここでは、ワールドゴールドカウンシルのゴールドデマンドトレンド(http://www.gold.org/supply-and-demand/gold-demand-trends)から時系列データを取得し、分析します。

中央銀行の金購入量の変化

 最初に、世界の中央銀行の前年からの金購入量の変化とドル建て金価格の推移を下記のグラフチャートに掲載します。

 グラフをみるとわかるとおり、世界の中央銀行の需給動向ですが、2008年第2四半期から買い越しに転じています。2008年第2四半期というと、ちょうどリーマンショックが起こる直前の四半期です。 

 2008年第2四半期以来、世界の中央銀行はドルの信認が崩れることを見通して、外貨準備でドルを保有するのではなくて、金の買い越しに転じました。

 2011年に日経新聞が「金、22年ぶり買い越しに 各国中銀など公的部門」との記事を出しています。もっとも、マスコミがニュースで騒ぐと相場は転換点を迎えますので、2011年から金価格はいったん調整局面になっていますが、今後も中央銀行による金の購入が続くでしょう。

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各セクター別の金購入量の変化

 公的部門が2008年から金の買い越しに転じたほか、他のセクターでも金需要は増え続けていましたが、2011年から2013年にかけていったん増加が止まりました。

 なかでも、ETFセクターは2013年に大幅な売り越しに転じたため、金価格の下落に拍車をかけました。しかしながら、2015年第1四半期には再び買い越しに転じています。

 相場の過熱と株価の持ち直しから、いったんリスクオンによる金価格の調整が入りましたが、今後は株価が暴落しますので、再び金価格は騰勢を強めるでしょう。

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