ミネルヴィニの成長株投資法について

 アメリカにマーク・ミネルヴィニという投資家がいます。彼は、投資を始めてから6年間まったく利益が出なかったにもかかわらず、長年の苦闘の末、高成長株のスクリーニング方法を編み出して必勝方法を編み出しました。



 その大きな要点は、次のとおりです。

全体市況
1 マーケット全体の市況が良い。

ファンダメンタルズ
2 マーケットの先導株である。
3 四半期決算で売上、利益及び利益率の対前年伸び率が全て3四半期連続で加速し、とりわけ利益は40%以上成長している。
4 アナリストが上方修正し、ウォール街の予測を打ち破る。
5 売上よりも速く完成品と売掛金が増えて、在庫が積みあがっているときは危険信号である。

テクニカル
6 長期間の保ちあいの放れで買う。(アメリカ流にいうと、ウィリアムオニールが発見したカップウィズハンドルのブレイクアウト)
7 株価サイクルの上昇ステージである。(50日、150日、200日の移動平均線すべてが上向きであり、52週高値から25パーセント以内に株価が収まっている。)

マネーマネジメント
8 ロスカットの絶対ラインを6%前後に設定して、ロスカットの3倍の利益が出たらブレークイーブンストップ、さらに利益が出たらトレーリングストップで利益を確保する。  

 以上の条件を満たす銘柄を全米約7000の上場銘柄から毎日スクリーニングして、高成長株を発掘しているそうです。

ジェシースタインのスーパーストック発掘方法について

 次に、アメリカにジェシースタインという投資家がいます。彼の戦略もミネルヴィニの戦略を基本的に踏襲するものですが、次のような特徴があります。



ファンダメンタル
1 覚えやすいティッカー名である。
2 時価総額が限りなく低い。
3 負債が少ない。
4 アナリストがカバーしていない。
5 インサイダーが買っている。
6 営業レバレッジ(売上の伸び率に対する営業利益の伸び率の比率)が高い。

テクニカル
7 マジックライン(10週移動平均)からプルバックした時に買う。  
※ミネルヴィニは、上放れで買いますが、ジェシーは更に待ち、上放れ後のサポートラインを割れたところで買います。
8 3四半期以上は持たない。
9 マジックラインを3回割れた後の最後の上昇で売る。
10 掲示板が熱狂したり、ニュースの一面になったら反対売買をする。
11 放物線上に上昇した最後のクライマックスで売る。 
12 公募増資の発表で売る。

大化け株を狙う方法について

 当初、私はミネルヴィニと同じ方法で、米国株に投資しようとしましたが、大きな壁に突き当たりました。まず、ブレイクアウトで買おうとすると、必ず大きな反動が来てロスカットになります。

 ロスカット後に次の銘柄に移りますが、再度ロスカットになります。この繰り返しで、ひたすら体力を消耗していきました。

 そこで、戦略を改め、私の持っている長期的な大局観にジェシー・スタインのやり方を取り入れることにしました。

 今後の戦略としては、私がかねてから研究している景気循環理論に基づき、54年スパンのコンドラチェフサイクルの上昇局面であること、9年スパンのジュグラーサイクルが転回点を迎えていることを踏まえ、大きな株価下落が今後発生することを前提に、金価格の底打ちと上昇を想定します。

 現在大きく売られている米国の金鉱銘柄のうち、次の要件を満たす銘柄を選定します。

1 負債が少なく、時価総額が低い。
2 利益が改善している。
3 対前年四半期伸び率で見て、完成品に比べて、原材料が増えている。
4 トムデマークシーケンシャルで底値圏であることが確認できる。
5 インサイダーが買っている。

トレードステーションでのスクリーニング方法

 トレードステーションには、米国上場企業の四半期財務データを読み込む機能があり、デフォルトで関数が定義されているため、EPSの推移をチャートでインディケーターとして表示することができます。

 また、EPS以外の財務データについても、トレードステーションのイージーランゲージで関数を作成することにより、表示させることができます。

 下記に、米国株の鉱業銘柄について、トレードステーションを用いて上記1~3の要素を一覧化した図表を掲載します。

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トレードステーションでのスクリーニング結果

 まず最初に、最も重視すべきは負債が少ないことです。私は2012年にエルピーダメモリに投資して失敗しましたが、当時は、テクニカルのみでファンダメンタルズは完全に無視していました。

 しかしながら、テクニカルの底打ちを狙うときこそ、しっかりと財務データを見なければなりません。

 金価格はまだ底打ちしておらず、債務の少ない体力のある会社のみが生き残れるのです。そこで下表には、まず第1列目に資本に対する負債の割合を示した負債資本比率(通称デッドエクイティレシオ)を持ってきて、負債資本比率の低い順に並べています。

 次に、下記の点を満たしていることを要件とします。

1 1株当たり純資産が0.6未満である。
2 時価総額が3億ドル(300 million dollar)未満である。
3 直近四半期売上高の対前年成長率が30%超である。
4 直近四半期原材料の対前年成長率がプラスである。
5 1株当たり利益もプラスである。

 上記の点についてすべて満たす銘柄は、下表をご確認いただくと、McEwen Mining Inc(MUX)及びBanro Corporation(BAA)です。また、まだ赤字ですが、時価総額の低いGolden Minerals Co(AUMN)も大化け銘柄の候補となります。  

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ミネルヴィニの財務モデルから検証

 ここで、ミネルヴィニの財務モデルについてご紹介します。ミネルヴィニの成長株投資法によると、売上よりも速く完成品と売掛金が増えて、在庫が積みあがっているときは危険信号です。一方、この逆のパターンは成功モデルであるといえます。成功モデルと失敗モデルを図解したのが下表です。

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 私が探しているのは、売上高が回復しつつあり、原材料を調達して本格的なオペレーションの執行に移る企業です。このような企業は、原材料の伸びが、売上に反映され、ひいては利益に跳ね返ってくるはずです。

 私が選定したMUX、BAA及びAUMNについてですが、下表のとおり、ミネルヴィニの財務諸表分析方法で定義される成功モデルを全て満たしています。まさに、これから本格的な体制の立て直しにより、好循環へとつながっていく可能性があるわけです。

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 参考に、失敗モデルの3銘柄も下表に掲載します。いずれも石炭(Coal)の採掘企業です。金(ゴールド)と違い、石炭には第3通貨としての機能がありませんから、中国経済の減速により、今後も非常に厳しい展開になるだろうと考えられます。

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トムデマークシーケンシャルから検証

 ファンダメンタルズによる分析は、以上となります。次に、トムデマークシーケンシャルで底値圏であるかどうか判定します。下記にそれぞれの銘柄の月足チャートを掲載しますが、どの銘柄も既に底値圏であり、いつ底入れしてもおかしくありません。

DeMark Indicators (Bloomberg Financial)
Jason Perl
Bloomberg Press
2010-05-25



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インサイダーの売買から検証

 インサイダーの売買については、「http://www.marketbeat.com」で確かめられます。MUXのディレクターが2015年6月に2万株超の自社株買いを行っています。

最後に

  今回のスクリーニング結果でご確認いただくとわかるとおり、さまざまな点から検討すると、金鉱株の一部銘柄は、非常に良い条件に恵まれています。米国の金鉱株はあり得ないレベルまで売り込まれていますので、あとは金価格の反転を待つだけです。

 じきにダウ平均の暴落で金価格上昇の第2ステージが発生するでしょう。