私は、長年にわたり経済分析に携わってきましたが、長期の流れで世界経済を俯瞰すると、必ずゴールドの時代が来ると断言できます。
 世界の基軸通貨であるドルはニクソンショックによって、金兌換通貨としての役割を終え、莫大な対日貿易赤字で円に対して暴落しました。次は、莫大な対中貿易赤字で人民元に対して暴落しています。
 現在、アメリカの政府債務対GDP比は100%であり、アメリカの政府債務は約2000兆円です。日米の政府債務を合わせると3000兆円を優に超えます。世界のGDPが6000兆円程度であることを考えると莫大な債務を背負っています。
 さらに、リーマンショック以降、日米両政府は出口のない金融緩和により通貨の価値を薄めています。2012年以降の景気回復により、ゴールドから株へ資金シフトが発生しましたが、長期的な通貨価値の低下ということを常に考えておく必要があります。
 これから、株価が下落するステージに入れば、逃避先通貨として金が選ばれるでしょう。既に上海指数が暴落し、ギリシャ政府が破たんするというニュースが入ってきていますが、これは、金への逃避の予兆にすぎません。リーマンショックがやってくる以前に、ライブドアショック、サブプライムショックがあったように、本格的な危機の前触れに過ぎないのです。
 今後確実にやってくる景気後退と莫大な政府債務により、日本円及び基軸通貨ドルの価値が低下していくことが明白になってきますので、必ず金価格は暴騰していきます。ドルの通貨価値は長期的にみると、アメリカの双子の赤字により年々低下しています。世界の準備通貨に占めるドルの割合が低下していく一方、各国の公的機関は代わりに金を準備通貨とし買い入れるようになっています。中国の景気後退により、人民元がドルに代わる役割を果たす可能性も遠ざかりました。
 最終的に、すべての資金が金へシフトしてきます。以上のような私の見解は、次に推奨する書籍をご覧いただければ、より明確に理解することができるでしょう。
 下記の書籍を推奨しますので、ぜひご一読ください。




自分を守る経済学 (ちくま新書)
徳川 家広
筑摩書房
2010-12-08

ドル暴落から、世界不況が始まる
リチャード・ダンカン
日本経済新聞社
2004-08-26