銀行の信用格付け報告が発表、A評価は9行

 9月8日、政府事務局、ベトナム商工会議所(VCCI)、企業信用格付け社(CRV)による2012年版ベトナム信用格付け報告が発表された。32銀行が4グループに評価された。 

 【Aランク】競争力が高い、市場での影響力が強い、安定した財政力を持つ、効果的な事業を行い、長期発展の可能性がある銀行は、ACB、BIDV、DongA Bank、Eximbank、MB、Sacombank、Techcombank、Vietcombank、VietinBankの9行。 

 【Bランク】競争力が優れ、市場での影響力がある、適当な財政力を持つ、事業が安定し、発展の可能性が良好な銀行は、BacA Bank、HDBank、Maritime Bank、OCB、Saigonbank、Southern Bank、PG Bank、VIB、VietABankの9行。 

 【Cランク】競争力は並、市場での影響力は限られ、財政力は許容範囲内、事業は安定しているか、安定性に欠けるが財政力は良好な銀行は、ABBank、Baoviet Bank、DaiABank、Habubank(SHBに合併)、Kienlong Bank、MHB、NamABank、Navibankなど11行。 

 【Dランク】競争力は制限され、事業網や市場での影響力は弱い、財政力は許容範囲内、事業の安定性が欠ける銀行は、MDB、VietBank、Western Bankの3行。 

 CRVによると、調査に使用したデータは、年次報告書、会計監査済みの財務報告書、株主総会における活動報告書で、主に市場影響力、事業効果、財政力に基づき評価した。調査に必要な情報が不足していた銀行は対象に入っていない。 

■結果に不満 

 結果が発表されてから、多くの銀行幹部が調査方法と結果に驚きと憤りの声をあげている。 

 ハノイの某銀行会長は不適切な点を指摘する。財政の安全性は不良債権のデータがなく、流動性は、多くの銀行が国債や有価証券を持っているにもかかわらず、負債総額比の現金、貴金属のみを根拠とするのは不十分、競争力は、シェアや成長率を分析せず、経験年数を重視しているという。「経験を見るなら、Agribankのような国営商業銀行が常に上位になる」。 

 Cランクに分類された銀行関係者は次のように話す。「データを参考にするだけでは根拠がない。我々の総資産は100兆ドン(約50億ドル)、ROE(自己資本利益率)は20%あるが、総資産が数十兆ドン、ROEが8~9%の銀行と同じランクに分類されている」。 

(Thanh Nien/Sai Gon Tiep Thi)


S&P、BIDVとベトインバンクの信用格付見通しを「安定」に引き上げ


米格付け大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は6日、ベトナ
ム投資開発銀行(BIDV)とベトインバンク[CTG]の信用格付けの見通しを「ネガティブ(弱含み)」から「安定」に引き上げたと発表した。6日付ベトストック等が報じた。

  また、上記2行の◇長期発行体信用格付け、◇短期発行体信用格付けはそれぞれ「B+」、「B」で据え置かれた。

  このほか、S&PはBIDVに対する東南アジア諸国連合(ASEAN)地域内での長期債務格付を「axBB-」から「axBB」に引き上げたが、短期債務格付は「axB」で据え置いた。

  S&Pは、BIDVとCTGがベトナム銀行システムにおいて重大な役割を果たしているとし、ベトナム政府の商業銀行業界に対する支援策を高く評価している。なお、同機関が評価するベトナムの大手商業銀行5行の信用格付けは次の通り。