国・地方で借金891兆円 財政健全化の道筋描けず 

2010/12/24 21:04

政府は2011年度予算案で新規国債発行額を44兆2980億円として、「10年度を上回らない」とした財政運営戦略の方針をかろうじて守った。ただ税収を上回る巨額発行に変わりはない。国・地方合わせた長期債務(借金)の残高は900兆円に迫っており、財政健全化は遠い道のりだ。市場が財政悪化を懸念すれば長期金利が上昇する可能性もある

 

政府は今年6月に閣議決定した財政運営戦略で、(1)新規国債発行額を44.3兆円以下に抑える(2)基礎的財政赤字の国内総生産(GDP)比を15年度までに半減(3)20年度までに基礎的財政収支を黒字化――などを盛り込んだ。

菅直人首相は6月に開かれたカナダ・トロントでのG20首脳会議(サミット)で同戦略を「公約」として提示。先進国が「13年までに財政赤字半減」を目指すなかで、日本を例外扱いする異例の措置がとられた。

GDP比で欧米から置き去りにされる状況で、日本にとって早期の財政健全化は不可欠だが、11年度の予算案に健全化の道筋は見いだしにくい。

11年度の国の基礎的財政収支は22.7兆円の赤字。過去最悪だった10年度の赤字額(23.7兆円)に比べ小幅にしか改善していない。

国債や地方債などを合計した長期債務の残高は10年度末に868兆円、11年度末には891兆円程度に膨らむ見通しだ。

15年度に基礎的財政赤字のGDP比を半減するには、歳出の大胆な削減に加えて消費税増税などによる税収の大幅な増加が不可欠だ。

政府・与党は来年半ばまでに税制の抜本改革に向けた成案を得るとしているが、「ねじれ国会」や政治とカネの問題などで政権の基盤自体が揺らいでいるのが実情だ。中央官庁の中からは「年明けですら先行きが見通せない」との声が漏れる。