来週の株式相場 「最後の抱き線」発生で、日経平均は調整相場に入る見通し

12月11日(土)12時14分配信 サーチナ

10日の日経平均の日足のローソク足は、長大陰線となり、前日の陽線を完全に包む、「最後の抱き線」となった。よって、来週の日経平均は調整相場に入る見通し。想定レンジは、25日移動平均線(10日現在、9985.74円)~12月SQ値の10420.74円。今後、日足ベースの一目均衡表の転換線(10日現在、10146.12円)及び25日移動平均線を割り込むと、とりあえず、11月2日の9123.62円を起点にした上昇は、幻のSQ値の10420.74円でいったん終了することがほぼ確定すると考えている。 

終了したケースでは日経平均の上昇幅は1297.12円。この三分の一押しが9988.37円、半値押しが9772.18円、61.8%押しが9619.12円。つまり、最大で9619.12円までの押し目形成をみておきたい。なお、転換線及び25日移動平均線を割り込まないなら、値幅調整とはならず、時間調整となるだろう。その場合でも、12月のSQ値を上抜かない限り、高値圏の保ち合い商状が継続する公算が大きい。 

8日の騰落レシオは158.27%まで上昇し、1970年6月以降で過去最高を記録し、9日は163.47%にまで上昇した。10日は11.89ポイント低下し、151.58%だが、大和証券キャピタル・マーケッツや野村証券の調べによると、これまでの最高は、94年2月に付けた156.3%だ。大和CMのデータでは、1位156.3%(94年2月2日)、2位156.0%(93年4月9日)、3位155.4%(97年5月19日)だった。よって、今週の9日が歴代1位、8日が歴代2位となった。少なくとも、この騰落レシオは低下傾向を辿るとみている。来週というわけではないが、今後70%程度まで下落することになる見通しだ。 

なお、日銀が15日発表する12月の短観については、市場の事前予想は、大企業製造業の業況判断指数(DI)の中心値はプラス3で、前回比で5ポイント悪化する見通しだ。悪化は09年3月以来7四半期ぶりのこと。また、先行きについては、家電のエコポイント制度が今月から縮小されたことなどから、悪化が見込まれている。ただし、これらの点に関しては、相場は相当分織り込んでいる。このため相場への影響は限定的だろう。 

海外では14日にFOMCが開催され、政策金利フェデラルファンドの(FF)の誘導目標が据え置かれる見通しで、こちらも大きな波乱要因にはならないだろう。 

12月のSQも終了し、米ブッシュ減税も延長で決着しようとしている。欧米の外国人投資家は来週から徐々にクリスマス休暇入りしていくことだろう。結果、東京株式市場の売買代金は細り、流動性が年末の大納会に向けて低下していく公算が大きい。このような状況下、物色は、低位材料株や、新興銘柄が中心になるだろう。餅つき相場の様相が強まると考える。(編集担当:佐藤弘)